在庫を減らしてキャッシュを増やす「適正在庫」マネジメント
在庫は「罪庫」です。 倉庫に眠る現金を掘り起こせ。「品切れが怖い」という現場の心理を克服し、資金繰りを楽にする在庫管理の鉄則。
講座の背景と目的
「欠品してチャンスロスするのが一番怖い」「大量に仕入れた方が単価が安い」。 現場には在庫を減らせない「もっともらしい理由」が存在します。しかし、過剰在庫は保管コストや陳腐化リスクを生むだけでなく、会社の現金を固定化し、資金繰りを圧迫する「見えない借金」です。
本講座では、在庫がキャッシュフローを悪化させる財務的メカニズムを理解します。その上で、勘や経験に頼らず、欠品リスクを最小限に抑えつつ在庫を極限まで減らす「適正在庫」の計算方法と、発注点管理などの科学的なコントロール手法を習得します。
本講座の3つの特徴
1. 【財務視点】CCCと在庫回転期間
「在庫はお金が形を変えたもの」です。 在庫回転期間(在庫が売れるまでの日数)と、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC:お金を払ってから回収するまでの期間)の関係を数字で理解します。在庫を1日減らすことが、どれだけのキャッシュを生み出すかをシミュレーションし、全社的な削減意識を醸成します。
2. 【重点管理】ABC分析でメリハリをつける
すべての商品を同じように管理するのは非効率です。 売上や利益への貢献度が高い「Aランク商品」は欠品厳禁で手厚く管理し、貢献度の低い「Cランク商品」は在庫を持たずに受注発注にするなど、ABC分析を用いて管理リソースにメリハリをつける手法を学びます。
3. 【新陳代謝】デッドストックの損切りルール
「いつか売れるかも」が、倉庫を圧迫します。 1年以上動いていない在庫(デッドストック)を明確にし、それを廃棄または叩き売りして現金化(損切り)する勇気ある決断基準を設けます。在庫の入り口(発注)だけでなく、出口(処分)のルールを作ることで、健全な新陳代謝を促します。
受講後の成果(学習目標)
- 定量化: 自社の「適正在庫数」を論理的に算出し、根拠のある在庫削減目標(金額・数量)を立てられるようになる。
- 意識変革: 現場や営業が抱える「欠品恐怖症」を取り除き、「在庫=コスト」という共通認識を持って発注業務を行える。
- 資金改善: 不要な在庫が減ることで倉庫スペースが空き、キャッシュフローが改善され、新たな投資余力が生まれる。
開催概要
- 対象者:
- 経営者、工場長、物流・購買部門の責任者
- 「在庫が多すぎる気がするが、適正値が分からない」企業
- 期末の棚卸し資産が年々増え続けている企業
- 学習時間: 6時間(1日コース・計算演習あり)
- 参考価格:
- 受講料目安(一般参加): 30,000円 ~ / 名(6名様から)
標準カリキュラム
- 在庫はお金が形を変えたもの(在庫金利の考え方)
- 在庫を持つことの「見えないコスト(金利・保管費・陳腐化)」
- 資金繰り表における在庫の影響
- 在庫回転率と適正在庫の計算式
- 自社の在庫回転期間は適正か?(業界平均との比較)
- 安全在庫係数を使った「理論在庫」の算出
- ABC分析による重点管理
- パレートの法則(2:8の法則)の適用
- エクセルを使ったABC分析の実践ワーク
- 【演習】発注点と安全在庫のシミュレーション
- 「定量発注方式」と「定期発注方式」の使い分け
- リードタイムのバラつきを考慮した発注点の決定
- デッドストックの早期発見と処分ルール
- 死蔵在庫の発生原因(営業の見込み違い、設計変更)
- 「滞留在庫」の定義と、自動アラートの仕組み