インフレ時代を勝ち抜く「価格転嫁」と適正利益の確保
原材料高は止まらない。「なんとなく」の値上げ要請は、もう通用しない。 コスト上昇分を正確に計算し、エビデンス(根拠)で取引先を納得させる。利益を確保するための「値上げのロードマップ」。
講座の背景と目的
「原材料が上がったので値上げしてください」と頼んでも、「企業努力でなんとかしてください」と返される。 この原因の多くは、値上げの根拠が「どんぶり勘定」であることにあります。インフレ時代において、コスト上昇分を正確に把握し、製品単価に転嫁する能力は、企業の生存能力そのものです。
本講座は、営業的な交渉術ではなく、その手前にある**「原価計算」と「根拠資料作成」**の実務に特化します。材料費だけでなく、労務費、エネルギー費の上昇分を製品1個あたりに落とし込み、客観的なデータ(エビデンス)として示すことで、取引先が「認めざるを得ない」見積書を作成します。
本講座の3つの特徴
1. 【原価計算】1円単位で上昇分を算出
「全体的にコストが上がった」では説得力がありません。 「材料費」「労務費」「製造間接費(電気代など)」の費目ごとに、製品1個あたりの原価が以前と比べていくら上がったのか。財務諸表から正確に算出するフォーマットを使い、ブラックボックス化している原価の構造を可視化します。
2. 【シミュレーション】損益分岐点の移動
「値上げをしたら、注文が減るかもしれない」。 この恐怖に打ち勝つために、シミュレーションを行います。「10%値上げしたら、販売数量が何%落ちても利益総額は変わらないか(損益分岐点の分析)」を計算し、強気で交渉できるラインと、守るべき撤退ライン(ボトムライン)を明確にします。
3. 【証明資料】公的データの活用
自社のデータだけでは「御社の効率が悪いのでは?」と言われかねません。 日銀の企業物価指数や、業界団体の市況レポートなどの「公的データ(第三者データ)」を引用し、今回の値上げが市場全体の不可避な流れであることを証明する、説得力の高い「価格改定根拠資料」を作成します。
受講後の成果(学習目標)
- 計算力: 自社の製品原価を正確に把握し、感覚ではなく論理的な数値に基づいて経営判断ができるようになる。
- 資料作成: 「なぜこの価格なのか」を論理的に説明できる「価格改定依頼書」や「新見積書」を作成できる。
- 利益確保: 安易な妥協を防ぎ、必要な利益(粗利)を確保することで、会社の持続可能性を高める。
開催概要
- 対象者:
- 経理部長、工場長、営業統括責任者
- 「原価計算」がどんぶり勘定になっている中小企業
- 値上げの根拠資料が作れず、営業が手ぶらで交渉に行っている企業
- 学習時間: 6時間(1日コース・計算演習あり)
- 参考価格:
- 受講料目安(一般参加): 35,000円 ~ / 名(6名様から)
標準カリキュラム
- インフレ時代の利益防衛策
- コストプッシュ・インフレの正体
- 「薄利多売」が通用しない時代のプライシング戦略
- 製品別原価計算の基礎
- 直材(材料)と加工費(労務費・経費)の分け方
- 見落としがちな「隠れコスト(物流費・副資材)」の拾い出し
- 【演習】コスト上昇分の計算シミュレーション
- 自社の決算書を使った原価上昇率の算出
- 財務データから「製品単価」への落とし込み方
- 損益分岐点を使ったシナリオ分析
- 「値上げ率」×「数量減少率」のマトリクス分析
- 値上げしないリスクと、値上げするリスクの比較
- 説得力のある「価格改定依頼書」の作成
- 構成要素(背景・根拠・改定額・時期)
- 公的統計データ(エビデンス)の添付方法